冬こそ自宅で簡単【塩美容】のすすめ
※週刊朝日 AERA 2019年11月22日号より抜粋
●科学的に認められた塩の作用と効果
塩を使って、簡単に日々のお肌のお手入れができる。
しかも科学的に認められた塩の作用に基づく効果が期待できる!
塩には保湿や血行促進作用があり、冬に【塩美容】はぴったり。
お金かけずにできる美容法として自宅で試してみては。
●簡単!塩美容
一般社団法人日本ソルトコーディネーター協会代表理事の青山志穂さん(42)が、塩の魅力にとりつかれたのは10年ほど前。
以来、調味料として楽しむだけでなく美容にも広く活用している。「身の回りにありお手頃な価格で手に入るのが、塩。何より食品なので口に入っても安心です。日々の肌のお手入れに使わない手はありません」と青山さん。
①青山志穂さんおすすめ【塩風呂入浴】
秋から冬にかけて、真っ先にオススメしたい!入浴剤の代わりに塩を入れる【塩風呂入浴】です。
・入れる塩の分量は?
一般家庭のお風呂(180~200リットル)に、お塩をひとつかみほど(30~50グラム)入れるだけ。
入ってみるとわかりますが、一番風呂のようなピリピリ感がなく、とろりとしたお湯になります。
・塩風呂の効果の実感は?
湯冷めをしにくく、湯上がり後も肌のしっとり感が続きます。気温が低く乾燥しがちな冬に向かってのこの季節にはピッタリ。
・塩風呂の注意点は?ふたつ
一つは、お湯から上がるときは軽くシャワーを浴び、余分な成分を洗い流すこと。
二つ目は、浴槽をすぐに洗うこと。浴槽や排水口の傷みやサビの原因になるから。
また、お塩を入れての追い焚きは風呂釜を傷める可能性がありおすすめしません。
お湯を抜いて浴槽が空になったら30秒から1分、水をかけて洗い流すと良いでしょう。
⚫︎気になる塩風呂の効果について
➊タラソセラピー効果
補完代替療法に詳しい京都府立医科大学大学院医学研究科の渡邉映理さんは、地中海沿岸を中心に行われている《タラソセラピー》(海洋療法)を例にあげる。
「昔からお塩には、保湿作用や血行促進作用、肌を清潔に保つ作用など、さまざまな美容・健康作用が知られています。こうしたお塩の作用を期待して行われているのがタラソセラピーです。関節リウマチやアトピー性皮膚炎の改善が認められるなど、有効性を紹介する研究結果も、数多く報告されています」(渡邉さん)
➋気になる塩風呂の効果について
お塩を入れたお湯は、温泉でいう《塩化物泉》に近い。
「お塩に含まれる成分が皮膚の表面にあるタンパク質と結合して被膜を作り、それが入浴後の汗の蒸発を抑えます。そのためお湯冷めがしにくかったり、保湿効果が持続したりします。」
自然塩には、保湿因子であるナトリウムだけでなく、マグネシウム、カリウム、カルシウムが含まれているため、そちらの保湿効果も期待できるという。
②青山さんおすすめ【科学的な作用が嬉しい塩美容】
簡単に取り入れることのできる方法
➀塩マッサージによる顔まわりのスキンケア。
10gの水、お塩15gをよく混ぜてペースト状にし、額や頬、小鼻、あご、首などを軽くマッサージする(目の周りは避ける)。ペーストを載せた手のひらを肌に密着させ、そのまま軽く円を描くように手を動かすのがポイント。マッサージ後はお湯で洗い流し、いつもの化粧水や乳液をつければOK。
「使うお塩は、できれば粒子の細かいものを。絶対やってはいけないのは、ゴシゴシと強くこすること。肌に傷がつき、シミやシワといった肌トラブルの原因になります。マッサージ後は肌が柔らかくすべすべになるので、毎日試したくなりますが、やりすぎも禁物。1~2週間に1回を目安にしましょう」(青山さん)ペースト状のお塩が乾くまでこすり続けることや、美容パックのように塩を肌に載せたままでいるのも、肌トラブルを招きかねないので、やめておきたい。また、ダイエット目的で塩マッサージをしたい人もいるかもしれないが、残念ながらおなかや太ももを一生懸命もんでも、お塩では脂肪は燃焼されない。
➁“塩シャン(シャンプー)”を試してみよう!
髪のボリュームが気になるシニアにおすすめ!
お湯で整髪料やホコリを落とした頭皮にお塩をひとつかみ載せ、指先でマッサージする。「しばらくすると、にごった皮脂が指につくようになります。そうしたら洗い流すだけ。シャンプーやトリートメントも使いません。私も塩シャンを1週間に1回ほど行っていますが、ドライヤーで乾かしたときの頭皮のスッキリ感がよい。」髪がごわつくときは、洗い終わりに手作りリンス(風呂おけ1杯分のお湯に米酢を小さじ1杯入れる)で、髪をすすぐ。この程度の薄さなら酢の独特の匂いも気にならないという。
⚫︎気になる塩美容の効果について
前出の渡邉さんの解説によると、
「お塩の細かい結晶が肌や頭皮の表面にある角質や汚れ、余計な皮脂を物理的に取り除く上塩の殺菌作用により肌を清潔に保つ。」という。
「お塩は体内に入っても異物(アレルゲン)として認識されず、一般的に添加物も入っていないため、アレルギーがある人でも使いやすいです。
一方で、肌に細かい傷などがあるとしみたり、刺激を感じたりすることがあります。そのときは使用をやめて、様子をみてください。」
特に、皮膚科にかかっている方は、事前に医師に相談を。
●塩と精油(エッセンシャルオイル)を組み合わせた美容法
アロマセラピーに詳しい株式会社植物蒸留らぼ.DD代表取締役社長の山下美紀さん(47)。
精油とは天然の植物から香り成分を抽出したものだ。「お塩には匂いやクセがないので、アロマセラピーとの相性がいいんです。お塩と香りを組み合わせることで、香りの効用もプラスされます。」
○山下さんオススメの塩入浴《入浴の時間帯によって異なる》とは?
夜寝る前では、お塩にプラスするのは、リラックスモードになるラベンダーやオレンジ。
朝風呂は、ココロとカラダのやる気スイッチを入れるレモンやローズマリーをお塩に足すのがベスト。もちろん好きな香りがあればそれを使って。
・浴槽に入れる塩と精油の量は?
お塩は、一般家庭のお風呂(180~200リットル)にひとつかみほど(30~50グラム)。精油は、多くても6滴以内にとどめる。
妊娠中の女性や子どもへの使用は控えたほうがよい。
●塩美容に不向きなお塩とは?
雑貨店には、バスソルトなど専用の商品が並んでいる。前出の山下さん曰く「そうしたものでなくても、料理で使う自然塩で十分」という。
スーパーにある商品にはグルタミン酸ナトリウム(アミノ酸)などが添加されているものがあり、【塩美容】には向きません。
●塩美容におすすめの塩は、どんなお塩がいいの?
お塩に詳しい一般社団法人日本塩ソムリエ協会理事長の中川功さんによると、
基本的にお塩は海水から作られるが、製法からいくつか種類が分かれている。
「一口にお塩と言っても、実はその種類はとても豊富で、値段もピンキリ。」
「選ぶ際は、ぜひ商品の裏のラベルをチェックし、いくつかの製品を比較してみるといいと思います。」
「さまざまなミネラルを含んでいる《自然海塩》がオススメです。」
